iPadでVoice4uのテキストスピーチを使った成功例 (1)

Voice4uのTTS(Voice4uのテキストスピーチ)がアップデートされました。どんなところが新しくなったというと:

– 「話す」のボタンを押したときに、キーボードが常に画面に表示されるように調整ができます。
– 特に長い文章を読むときに、画面がカタカタ揺れる問題を解決しました。

ここで、テキストスピーチ(TTS)って一体なんなの?と思う方にちょっと説明。
口頭での会話が苦手な方向けのタイプするとiPadがタイプした単語や文書をあなたに変わって話してくれるものです。

ではどのように使うのか?

使い方は様々ですが、アメリカの大学に通う自閉症の息子の例をあげていきます。

<大学での英語での様子>
英語のクラスでは、書く事、話す事が要求されます。特にディスカッションのクラスでは、グループに別れて話す事が要求されます。ところがタイミングよく自分の意見を述べるというのはとても難しい事です。私達、日本語を母国語とする人が、英語を母国語とする人たちのグループに入っても、彼と同じようには話せないのと同じような感じかと。それのもうちょっとひどい感じですね。
ディスカッションのクラスでは、先生や誰かが「はい、あなた話して。」指名してくれるわけではなく、とにかく隙間をみてどんどん話さないと「会話に参加していない。」ということで減点になってしまいます。なのでみんな間髪入れずに必死で話します。そんなクラスで、言語が難しい息子が編み出した方法は、Voice4u TTS(テキストスピーチ)を使って自分の文章を打ち終ったら、手をあげるという方法です。さすがに手をあげているグループメンバーがいるのに、それを無視する人はいません。みんな聞いてくれますので、その瞬間にVoice4u TTSの”Speak”(話す)のボタンをタッチ。自分の書いた文章がiPadから流れます。グループは、

「そうね。そういう事も起こりえるわね。そのときにあなたはどんな気持ちだった?」

と聞かれるとすぐに

「悲しい気持ちだった。あなたはどう思う?」

と打ち込みます。

参加できた!

息子は小学校の頃のほうが、まだ話していた気がします。中学、高校生になって、友達の会話が複雑になって来た事も原因です。さらには普通の思春期の男の子でも、中学、高校になってくると口数は少なくなる男の子も多く、息子の場合は、そこに知的障害が加われば、一気に話せない事は加速。Voice4u TTSをiPadで使い、授業で話す様になってから、他のクラスでクラスメイトに会ってもみんな気軽に声をかけてくれます。みんなが<息子はなにもわからないわけではなく、口頭で話すのが苦手なんだな。>と解ったからです。

「この授業終ったら、何すんの?」

そんな簡単な質問にも息子は答えられない。固まっていると、他の子が

「お前、iPadは?」

と助け舟を出してくれて、「そうそう、そうだった。」と思い出した様に取り出す息子。タイプします。それをお友達が読み、

「ふーーん。今日、これが終わったら、次はGymにいくんだな!俺もなんだよなぁ。一緒に行こうぜ!」

言ってくれて、息子は無事にお友達と一緒にGymまで一緒に行ったりしてます。こうやって少しづつ親が介入しないでも会話が同年代で続くようになってきました。

次の回は、英語の授業中にどのように文章を書くのか?についてです。

注)Voice4u TTSの基本機能は無料です。メール送信や、印刷、セーブ機能等は、プレミアムプランにて使えます (有料)。