自閉症とアスペルガーの大学進学についての講演会

自閉症の大学進学についての講演会を聞いてきました。講演者は、The Parent’s Guide to College for Students on the Autism Spectrumn著者のジェーン•シェーフェルド•ブラウン博士です。彼女自身、3人の子供さんがおられて、一人は重度の自閉症です。
今回の主な内容は、大学準備でした。

18歳になると言う事は?から話が始まりました。18歳という歳を迎えるということは、成人するということで、今までは、
「自閉症なので、すみません。」とか、「アスペルガーなんです。ごめんなさい。」と人様に彼らの問題行動を自閉症を理由に謝罪できたけど、それが通用しないということです。と言う話から始まりました。
話の内容を箇条書きすると

-大人になるということは社会のルールを守るということ。
-さらに、大学進学の為には、身辺自立がきちんとできてることが大事。
-まず、なぜ大学にいくのか?大学は、学ぶ所であることを知る。
-隣の子供や世間の噂が大学に行くのではなく、自分の子供が大学に行くということ。
-自分の子供に会った大学のプランをたてること。何ユニット(単位)を最初のセメスターで取るのか?
-大学を4年で出ると決めつけるのは、他の子供のプランを語るようなもの。自分の子供はどのような単位のをとり、どのような将来を見据えた計画をするのか?
-大学は必ず見学すべき。
-大学は夏休みに泊まり込みの夏のキャンプなどがあるので、高校の時に体験しておくといい。
-私立の大学などは、交渉によっては、付き添いの人のお金と自分の授業料金で大学に行ける場合がありますが、その場合、ある有名な大学は、半年の学費+付き添いの代金で、8万ドル(800万円)というところもあります。

-法律を正しく知る事。
-初年度は家から通うということも考慮。

などなどです。

普通の子供でも必要なスキルですが、親が「大学の評判がどうで。」とか、「世間がどう。」とか「お隣の子供は…。」などを見ているようでは、成功することは非常に難しい。アスペルがーや自閉症はもっともっとその子の為に必要なものを明確にし、きっちりと計画を立てるということが大学での成功を導くということです。自閉症は一人一人の症状や必要なものが違うので、どのような支援が必要なのか?大学の障がい者部門(DSPS)の利用などでは、なにが必要なのか?を明確にしないといけないということです。
特にアスペルガーの子供などの場合、まだ子供自身にアスペルガーであることを伝えてない人がたまにいるけど、そういう場合は、今すぐにでもカウンセラーや専門家の手を借りてでも、子供自身に理解してもらわないと大学での成功は非常に難しい。
一番大事な事はモチベーション。人間はモチベーション無くして、なにかを成し遂げると言う事は困難であるという話でした。

ようするに、

大学を受験するのも通うのも親ではない。

個人的な私の感想ですが、
いやー。本当に。既に大学に息子を通わしている身としては、そうそう!という話ばかりでした。普通の子供でも共通して大学受験前に必要な部分も多々ありました。
うちの自閉症の息子の場合でもそうでしたが、具体的には、休み時間の過ごし方、クラスが休講になったらどうするの?ノートを取ってもらうのはどの教科?テストは延長した方がいいの?静かな場所で受けれられるほうがいいの?ファイナルテストは時間がちがうけど、どうやって認識するの?などなど、を検討して理解し、本人が必要性をDSPSに伝える事ができなければ、支援を貰う事は難しい。
アメリカの場合、大学は、行く前にツアーで見る事はできるので、必ず行う事。自閉症の場合は特に必要ですが、多くの大学は教授にアポイントメントを入れれば話せるので、最初に取りたい教科の教授と本人を交えて話をするのは効果的だと思いました。
どれだけ大学生活を具体的に親や本人が描けて、将来にどのようにそれらを結びつけるのか?を明確にしなければいけないということをひしひしと感じました。とても為になったプレゼンテーションでした。詳しい事はこちらにリンクにあります→College Autism Spectrum