Voice4u 開発秘話 – 第5回 開発

今回は、製品の心臓部分の開発のお話です。

さて、情報があつまり、絵も集まり、サウンドも集まったので、さて重要部分の技術開発です。まずはどういうものが欲しいのか?どういう使い勝手がいいのか?を出し合います。

開発の方たちは

「iPhone/ iPod TouchのAppで、出来ないことはなにもないので、どんどん意見を出して下さい。」

と言われました。

もう10年以上コミュニケーションデバイスについては、苦労しているので、山のように意見を言いました。たくさんのお母さんや専門家の意見ももれなく伝えます。その一つ一つを開発部門の方が検証し、ほとんどの希望をいれてくれました。

特にユーザーインタフェースは、いまだかつてないくらい考えました。

1. 起動時も子供が集中できる。

まずは起動時。昔購入した190ドルのiPhoneアプリは、たちあげてプログラムが走るまで画面がまっ白になります。自閉症で多動が入っているこどもはこの白い画面がでてくるとプログラムがたちあがるまでの時間、意味がわからないので待てません。なにもないと判断してすぐにどこかへ逃げていってしまいます。Voice4uは、Loadingの間もかわいいアイコンの画面がでてきて、「あっ、次に何かでてくるんだな」と誰でも予想できるような工夫をしてあります。その間、子供さんでも注意を他にむけず、アプリに集中して見るようにできています。多動のお子さんでも走って逃げにくくなっています。

2. 流れるような動き

起動後のアプリのアイコンからアイコンへかわる絵の間、他のアプリは、カキコキとしたぎこちない古いロボットのような動きをしますが、Voice4uはこのような動きがありません。流れるように、アイコンを動かせて、選択できます。川の流れのように動きます。これは、技術の人が手間ひまかけてながれるように動くための大変なコードを書いてくれているからです。普通の製品の倍以上の手間と時間をかけてあります。

3. 落ちない。かたまらない。

他の自閉症のアプリは、ちょっと端に手がいっただけで落ちてしまったり、連打すると同じ音声がエコーのようになってしまい、固まってしまうものが多く、これは親御さんや専門家でもっとも多い苦情でした。一日に5回以上はうまくいかないということです。落ちて立ち上げても、また白い画面がでてくくるので、子供が集中しないの繰り返しになります。 Voice4uには、このようなことがほとんどありません。安心して継続してつかえます。

4. 簡単に加えられる写真

アイコンの下にあるaddのボタンを押せば、誰でも簡単な手順で、アイコンが足せます。

5. いろいろな機能をつけない

私達の製品の第一弾になるVoice4uは、いろいろな複雑な機能を乗せることをしませんでした。作ってるうちに「あっ、これがあれば、便利、この機能も」となるのですが、複雑になって、使いにくくなります。そうなると親御さんも専門家も辛い。まずは、iPhone/iPod touchでコミュニケーションを取ることに慣れてもらうことが大事。ここに焦点をあてました。

このような心臓部分には細かい部分にまで気をつかってVoice4uをつくりました。長く皆さんに使ってもらえるVoice4uになりますように。

さて次回は価格についてのお話です。