視覚支援の重要性

11月 8, 2012

視覚支援、AACについて

自閉症 (ASD, Autism Spectrum Disorder) の特徴は、コミュニケーション能力の発達が遅く、他人との接し方が苦手なことです。しかしながら、絵や映像、シンボルなど視覚的に物事を理解することは得意ですので、コミュニケーションを図る際には絵を使うことが推奨されています。コミュニケーションにおける絵の役割は、歩くのが困難な人が車いすを必要とするのに似ています。

自閉症の言語の発達と AAC について

(AAC: 代替コミュニケーション)

スマートフォン、タブレットの特長

従来のコミュニケーション機器は、高価で使い方が難しいものが少なくありません。そのような機器は医療保険使って購入できますが、申請には数ヶ月を要し、さらに専門医の診断書、セラピストの評価、場合によっては弁護士も雇う必要があり、誰もが簡単に手に入れられる機器ではありませんでした。生活や成長に必要不可欠であるにも関わらずです。


他のコミュニケーションツールとしては、TEACCH (Treatment and Education of Autistic and related Communication-handicapped Children) や PECS (Picture Exchange Communication System) に代表される、いわゆる「絵カード」があります。こちらは経済的ですが、絵カードの枚数が増えるに従って持ち運びが困難になり、さらに絵を編集したり、追加するのは手間と時間を要します。

iPhone, iPad, Kindle Fire などのスマートフォンやタブレットは、持ち運びが簡単です。価格も従来のコミュニケーション機器に比べれば 10 分の 1 以下の値段で入手できます。さらに、様々な種類のアプリケーション (アプリ) を自由に使えますので、コミュニケーション以外の目的にもたった1台の端末で便利に使えます。例えば絵カードであれば、スマートフォンのカメラで撮影した写真や、インターネットからダウンロードした画像を使って簡単に絵カードを作成したり、変更も簡単にできます。また、ほとんどのデバイスにはマイクが内蔵されていますので、音声の録音も手軽にできます。

経済性、利便性、携帯性など多くの点で、スマートフォンやタブレットは優れています。

Voice4u はさらに、

  1. シンプルな構造で、操作が簡単ながらも、多くの便利な使い方がある
  2. 多くのスマートフォンやタブレットで使える。人気のある機種としては、iPhone, iPod touch, iPad, キンドルファイア, NOOK タブレットである。
  3. 携帯が簡単で、必要なときに必要な絵カードをすぐに使える
  4. 使い方が簡単である

といった利点があります。

Voice4u の利用対象者

Voice4u の主な対象利用者は自閉症の方々です。Voice4u は介護者や親御さんなど周囲の方々だけでなく、ご本人が実際に使える製品になることを目指しました。また、自閉症だけでなく他の種類の発達障がいを抱える方々にもご利用いただいております。たとえば、ダウン症候群、PDD、アスペルガー症候群です。さらには、発達障がい以外でも、難聴、脳梗塞などで口頭によるコミュニケーションが困難な方々からも支持されています。

米国では、CDC (Center of Disease Control and Prevention)によると、現在 88 人に 1 人の割合で自閉症と診断されています。さらに男の子に関しては、58 人に 1 人という統計もあります。また、国や人種によらず、他の国々でも同様の割合で潜在的に存在するといわれています。

 

 


参考文献

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