Voice4uを作るにあたって私たちチームが思ったことはひとつです。
「自閉症の子供さんが使うのならば、自閉症以上に製品にこだわらなくてはならない。」
Voice4uを手に取られて皆さん驚かれるのは、絵だと思います。カラフルで、宇宙人のような絵。毛がない、服をきていない、驚くほどシンプルな絵とカラフルな色で、表情を作り出しています。これは、多くの自閉症の先生や、セラピストや医師からの助言です。
「自閉症の子どもたちが使うアイコンに髪の毛を描いたりや服を着せないでほしい。」
その理由は、自閉症の子供たちが、
「どうしてこの子は髪の毛が右にはねてるのに、さっきの子は左だったの?」
とか、
「この子は服は、どうして前の子供と同じ服なの?」
とか、髪の毛や服にこだわってしまうからだそうです。そうなると、授業をする前に先に説明をし、注意を服や髪の毛からそらして、それから授業やセラピーになってしまうので、手間がかかるし集中しにくいから。ということでした。
親の私としては、髪の毛があったり、かわいい服を来ている方がみていても楽しいし、キュートなものの方が、買う親御さんも楽しいのは、当然の事です。かわいくしたほうが、多くの人が買うかもしれません。しかし、専門家の方々は
「私たちの子供たちの為のアイコンをつくりましょう」
という意見を言われました。専門家の方は、もう自分の子供のように自閉症のクライアントをかわいがっている人もいらっしゃいます。たとえ、その方が30歳であっても子供さんのように思っているのです。そうですよね。かわいいグッツは、お店に行けばいくらでも売っています。それよりも大事なのは、子どもたちが使いやすいことです。
さらに
「顔だけの絵は作らないでほしい。」
ということでした。人間には、体があります。顔の表情だけをのせると、それが顔だという認識に時間がかかる子供もいますし、体があるということをわかってもらうためにも、どの絵にも人の絵は、ボディがしっかりあります。体が横になってお休み状態の「起きます」と「寝ます」以外は、体が全てあります。。
さらにこだわったところは、実は、このVoice4uの絵の中には、お父さん、お母さん、兄弟の絵がありません。それは、私たちVoice4uチームが
「Voice4uを通して一番大事な家族の写真は、家族の皆でわいわいと言いながら楽しんで作ってもらいたい。」
という希望からです。勝手に
「これがお母さんです」
というアイコンを作られても、子供も受け入れられないのでは?というのもありました。このかいあってか、やはり一番多い反響は
「家族のアイコンを作ったら初めて子供がパパとママを言えた。すごく嬉しかった。」
というものです。Voice4uは、1000枚近くのアイコンを加えられますので、どうぞ皆さんで、家族のみならず、大事な人たちの写真を入れてください。
さて、私の体験談ですが息子の渡が自閉症の診断を受けた頃、ボランティアの方に言われました。
「あのね。発達に遅れがあって生まれてくるっていうことは、その子は心で強く感じで生きている天使の子供なの。天使のお手伝いを私は喜んでするわ。」
というものです。それから長年にわたり、いろいろな自閉症や発達に遅れをもったお子さんに出会う機会が多った私です。たしかに心で感じて行動するお子さんが多いように思います。Voice4uが天使の声をほんの少しでも運べれば、この製品は価値がでてくるでしょう。慣れるまでに数ヶ月掛かるお子さんもいると思います。天使の中には、のんびりやさんや、がんこさんもいるでしょう。けど、あせらず少しづつ声を聞いていくのも
「喜びを分けてゆっくり聞ける。」
と思えば、いいかもしれません。Voice4uが皆さんのお役にたてれば、チーム一同なによりも嬉しいことです。
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